ロシアとUKUSA、大陸欧州が持っているカードを比較しないといけない

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ウクライナ侵攻になったとき、どちらの方が優位か?

(*素人が書いたもの。根拠や出典はない)

 

ロシアの参戦理由はおそらく東部ウクライナのロシア系住民の保護になるため、目的は東部地域の独立の補助になると思われるので、キエフまで侵攻する大義名分がない。しかし仮にロシアとベラルーシが同盟関係にあれば、ロシアの参戦と同時にベラルーシウクライナに対する侵攻をする可能性があり、かつ地理的にキエフに近いのでウクライナに対する圧力はより強いものになる。ここでロシアはNATOの非参戦が確約された状態で侵攻できる状態だ。つまり盤面上、敵国はウクライナだけであり、ロシアとベラルーシの連合軍に対しては数的優位を得ることができる。また作戦範囲が明確で、かつウクライナ軍の装備も旧ソ連時代のものが主流なことから、目的を達成する時間の想定もより正確にすることができるだろう。

 

ロシアの想定

  • 戦争状態ではロシアはウクライナより優位である。
  • 経済状態はロシアは今より悪くなるだろうが、資源があるため輸出先(中国)に困ることはない。
  • 将来想定はNATO軍がウクライナ東部に駐屯するリスクはロシアの長期的なリスクになる可能性が高いため、実施される前にNATOに断念させる、またはそれを実行するにはリスクが発生すると印象をつける必要がある。これはクリミアも同じで、将来、ロシア海軍の主力艦隊の海軍基地と黒海から地中海にかけてプレゼンスが減ることをしてはならない。

 

UKUSAの想定

  • 戦争状態ではウクライナに派兵することはない。
  • 経済状態はロシアに対する強い経済制裁をして、ロシアの行動を思いとどまらせるつもりである。
  • 将来想定はNATO軍をウクライナバルト三国に展開すれば、超音速ミサイルの範囲にモスクワが入ることになり、戦略的、外交的優位を築くことができ、ロシアの潜在的驚異をある程度抑えることができる。これはロンドンのロシア系住民に対する圧力やロシアの影響下にある中南米社会主義国家、アジアにある中国を始めとしたロシアに友好的な国に対する圧力にもなる。

 

西ヨーロッパの想定

  • 戦争状態ではウクライナに派兵することはないが、NATO所属の東欧諸国への軍備力増強を行う。これはNATONATO所属国とは軍事同盟であることをロシアと旧ソ連圏のNATO加盟諸国にみせるためである。
  • 経済状態では国によって異なる。エネルギーを自活できる国(フランスなど)と、ロシアからエネルギーを輸入している国(ドイツなど)で、国内の状況が異なるためNATOとしての政治判断が一枚岩になりづらい状態が発生している。経済制裁ではおそらくUKUSAと同調するだろうが、ロシアと経済関係が深い国ほど国民生活はより厳しいものになり、政治的な舵取りが必要になるだろう。
  • 将来想定はNATO軍を拡大することにより、西ヨーロッパの安全保障がより強固な状態になる。陸路的な意味合いでも、ミサイル攻撃の距離的な意味合いでも旧ソ連圏の国が第一の障壁になる。冷戦期間中に国境だった西ドイツをポーランドルーマニアブルガリア、バルト諸国まで拡大することが可能になっている。このままなら将来的にフィンランド黒海周辺国家など、NATOの拡大は続くことになるだろう。

 

東ヨーロッパの想定

  • 戦勝状態ではロシアに対する防衛力を強化する、またはNATOの軍事展開を期待するだろう。ウクライナへの侵攻はロシアに近いほど、これらの国に現実的な驚異を与えることになる。
  • 経済状態では国による差が激しく、EU中心国家への移動する労働者が多い。ロシアからの経済的影響や戦争状態になった時のこれらの国に対する影響がどの程度あるか不明だ。
  • 将来想定はNATO軍の基地を自国に置きたいと思う国が増加するだろう。地理的要因から、まずロシアの第一目標になるのは自国だとわかっているし、今回のウクライナに対する侵攻度合いにより、自国への侵攻速度やその驚異を体感することになる。旧ソ連でも人口、軍事力が弱くないウクライナが侵攻されることで自前の軍事力で何ができるかが明確になる。そのためロシアに対する脅威がより差し迫ったものになるだろう。

 

EU

  • 戦争状態ではEUとしてNATOに協力する。EUの軍隊としてのNATOの意味合いがより強くなり、経済制裁、軍事的実行力を持つヨーロッパの統合が加速する契機になるかもしれない。
  • 経済状態ではECBでは利上げを予測しているが、東ヨーロッパ諸国で軍事費などの増加が見込まれるだろうなかでプライマリーバランスの監視強化が行われるだろう。またウクライナ侵攻がウクライナ全土になった場合、移民問題が再発するため、移民問題の予算の確保が必要になる。おそらくフランス、ドイツなどが受け入れ先になるが、その財政負担がより問題になる。戦争開始によりインフレが深刻な問題になり、特にエネルギー、食料の高騰が市民生活に重要な問題を生じさせる。インフレを抑制するため、より利上げの見込みが高くなるだろう。その影響で、EU域内の民間経済は冷え込むことが予想される。特に東ヨーロッパなど途上国が多い国がその強い被害を受けることになるだろう。その結果各国でロシアと融和する政党を支持する議会が増える可能性がある。
  • 将来想定はEUNATOの統合が想定される。一方で各国による制度、経済などがバラけている状況はEUNATOとしての意思決定を阻害する可能性が高い。それが経済的問題が発生すればイギリスのようにEU離脱という可能性も含んでおり、「何を持ってEUを構成するか」という基本理念への賛同と、経済的互恵関係がなければ、統一欧州としてのプレゼンスが不安定化する可能性がある。そのためフランス、ドイツなどEUの中心国家はロシア問題の現実に直面する東ヨーロッパに財政的、軍事的支援をほぼ永久に行うことになり、ヨーロッパ版の「ヨーロッパの警察」の役割を担わざるを得ない状態になるだろう。