世界の関心の薄れと

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関心の薄れは誰の首を締めるか

2022年2月24日に世界中が驚愕したロシアによるウクライナ侵攻が発生した。この大きな衝撃は未だに世界がこれまで戦後、冷戦後に築いてきた体制を揺るがし続けている。

ウクライナはゼレンスキー大統領を始め、国民の団結により、世界の多くの人々が予想した早期陥落の予想を覆し、未だにロシアをウクライナ東部に押し留め、戦線を膠着させている。

このおよそ4ヶ月の間、西側だけでなく世界中の国がウクライナを支持しウクライナと共にあることを示してきた。だがコロナによる世界物流の停滞によるインフレに加え、今回の侵攻によって燃料と食料の値上げに拍車をかけている。そして徐々にウクライナ侵攻の報道に慣れ、異常が日常化している状態になった。もちろん連日ニュース番組やメディアではウクライナ侵攻の報道はされるもののそのニュースバリューや人々の関心は落ちている。そして失われた人々の関心はインフレとそれに振り回される政治や経済の話に移動している。

今のこの状態はウクライナ侵攻にどのような影響を与えるだろうか?

ウクライナへの熱狂的な支持により、ロシアの侵攻の痛みをヨーロッパや世界が共に受け入れようとする姿勢は示された。だが戦争への関心の低下と生活を脅かすインフレ、そしてその原因はこの侵攻にあると考えたとき、多くの人が考えることは「早期停戦」と「戦争以前の経済状況に戻ること」になるだろう。

時間が経てば経つほどその声は増えることが予想される。確かに原油価格は2021年4月では61.71$だったものが2022年4月では101.78$*1に、また穀物では例えば小麦は米国小麦先物で2021年4月に700代だったものが2022年4月に1,001代*2に上昇している。またウクライナやロシアの輸出が期待できないことで、これまで輸出をしていた国が自国を優先して小麦やパーム油などの輸出を取りやめている*3

コロナではロックダウンにより労働者が出社できず、工場で生産を行うことができなくなり半導体や工業製品などのモノの値段が上昇した。今回値上がるのはより生活に必須な穀物と資源になる。先進国の日本でも今夏、今冬の電力需給で需要が超過し政府が節電を求める事態になった。また穀物不足により世界で4,700万人*4が飢餓に陥る可能性があり、世界各国でエネルギーと食料の問題が緊迫した状況になっている。

このような状況下で、かつ関心が薄れてきたウクライナ侵攻により、食料が不足する国や、今年の冬にはヨーロッパの国々でさえ、暖房に使う燃料のおそらく異常な高騰のために、もしかしたらロシアに融和的になるかもしれない。だが、もし資源の問題や穀物の問題でロシアに融和的になればロシアは迷うことなくウクライナを手中に収めようとするだろう。そしてロシアは核兵器以上の兵器として資源と穀物を手に入れ、世界をコントロールすることが可能になってしまう。またこれはロシアと手を組む国が他国を無理難題で侵略できることを意味し、そして支配地域の人々は蹂躙される。もしウクライナ侵攻前の平和的な体制に戻したければ、矛盾するようだが、ロシアに対しては常に強く当たらないといけない。もし電気代が数倍になっても、パンの値段が破格の状態になっても、家に乗り込まれて無残に蹂躙されることと比較しなければいけない時代になった。日本にとってロシア共和国は隣国であり、日本が近代化したあとロシア帝国とは戦争を行い、ソビエト連邦とは紛争を繰り返した。過去のロシアと戦争をしたことがある国々は、ロシアとの戦争は喫緊の課題ではなくても、いずれ起こるものとして捉えておく必要がある。そして自国でウクライナの惨状が起きる可能性があることも考える必要がある。

ウクライナは遠く離れた国だが、ロシアという大きな国を挟んだ国同士である。また日本の隣国のロシアが戦争状態に入っていることは常に関心を持って見ていく必要があるんだと思う。もしかしたら関心を持ち続けることが将来に起こりうる出来事への先手になるかもしれない。

(*素人が書いたもの。根拠や出典はない。)

 

画像

https://pixabay.com/ja/photos/%e9%b3%a5-%e3%83%8f%e3%82%b2%e3%82%bf%e3%82%ab-%e9%b3%a5%e9%a1%9e%e5%ad%a6-%e7%8c%9b%e7%a6%bd-6564285/

*1:原油価格推移($/バレル)新電力ネットhttps://pps-net.org/statistics/crude-oil

*2:小麦先物 https://www.pwalker.jp/wheat.htm

*3:小麦生産2位のインドが輸出停止、国内価格を抑制 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-india-wheat-idJPKCN2N10NM

*4:ウクライナ情勢と世界の食糧危機 https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/900/468797.html