プーチンの夢

子, 鳥, 海, 孤独, 悲しみ, 夢想, ビーチ, ネイチャー, 心の平和, 沈黙, 日の出, 自然, 朝

 

プーチンソビエト連邦を復活させたいと思っているのではないか

ロシアの積極的な侵攻は南コーカサス、つまり旧ソ連のザカフカースウクライナで起きている。NATOの東方拡大が問題なら国境を接するバルト諸国がNATOに加盟を求めた時点で今回と同じような「侵攻」があるべきで、結果としてそれはなかった。一方でウクライナEUに加盟しようとしたユーロ・マイダンではロシアは軍事的にも重要なクリミア半島をすぐ支配下においた。ロシアが積極的に介入、コントロールしようとしているのは1922年にソビエト連邦が誕生した時の構成国である、ロシア、ウクライナベラルーシ南コーカサスであることがわかる。

今回、ウクライナNATOに所属しようとした。もしウクライナNATOに所属すればウクライナがロシアの構成国として戻る可能性はほとんど無くなるだけでなく「敵側」につくことになる。プーチンはかつてベラルーシの吸収統合を示唆したようにウクライナも吸収統合し、ソ連の領土の復活を試みようとしたのではないか。もしそうだとすると、今回のウクライナ侵攻でプーチンが引く可能性は高くないと考えられる。つまり彼の目標がソ連領土の復活だとするなら、どのような手段を使ってもウクライナに傀儡政権を立て、反ロシアの国民の意思を砕き、将来的なロシアとの統合を狙うからだ。

この試みはウクライナをロシア化しようとするもので、民族主義や自国の独立の意思が強くなっているウクライナ人にとっては受け入れられないだろう。この両者の考え方の違いは埋まるものではない。そのため戦闘が短期で集結するような条約を結ぶことは難しいのではないか。一方ロシアが懸念されているウクライナの次の国を侵攻しようとしている可能性は低いと考えられる。仮にウクライナに他国の軍が展開した場合、その国に対して攻撃することはあるかもしれない(これがプーチンが発言した核兵器による他国の介入への抑制になる)が、現段階ではウクライナに集中するだろう。そのため旧東欧諸国やましてや北海道にロシア軍が展開される可能性は低いと考える。

今後ロシアはウクライナをどうするだろうか。ロシアに対する経済政策が強まるなかで、ソ連を復活させようと考えるなら、企業を再度国営化することまで考えているのではないかと思う。ガスに対して下心が残っている欧州に対してロシアは次の買い手の中国を見つけている。欧州のガスはロシアに依存している国が多く、西側諸国の国民もガス料金の高騰に耐えないといけない。むしろ専制的に国民に強制力を使えるロシアに対して、民主的な基盤を持つ西側諸国の方が政治的持続力の弱さがある。当初は短期的にウクライナの首都キエフを占領して、傀儡政権を立てようとしていたがそのプランはもう使えない。そのため中長期戦に移行して、ウクライナの国土を焦土化することによりウクライナ国民の士気を削ぎ、資源と穀物の高騰により西側諸国の支援を少なくさせようとするのではないか。しかし一方でそれはロシア軍の消耗も激しくなることが予想される。これは仮にNATO軍が攻めてきた場合、ロシアの強い対抗措置が核兵器しかないという事態になりかねないが、それが最大の抑止になることをわかっているので、中長期的な作戦も取れると考えているだろう。

プーチンソ連の復活とロシアの経済を天秤にかけ、ソ連の復活にかじを切った。西側の経済制裁は民間企業も始めており、ロシアでのロシア人従業員の解雇を始めているという。それが親西側だった人々を反西側に変えることもあるだろう。力による現状変更は暴力による衝突だけではなく、その余波や波及効果がとてつもなく大きくなり誰も予想できないところに着地する可能性があることは歴史を見るといくつも例がある。第一次世界大戦セルビアの青年により引き起こされた。彼の暴力的な行為により、軍事だけではなく経済や国家体制まで変わった。彼の目的は達成されたかもしれないが、その余波はとてつもないものになった。今回のロシアによるウクライナへの攻撃の影響はこの両国だけにとどまるものではない。新しいパラダイムが始まるだろうが、それはおそらくポジティブなものにはなりにくいだろう。

(*素人が書いたもの。根拠や出典はない。)

 

画像:

https://pixabay.com/ja/photos/%e5%ad%90-%e9%b3%a5-%e6%b5%b7-%e5%ad%a4%e7%8b%ac-%e6%82%b2%e3%81%97%e3%81%bf-438373/